摂るべき食材が分かる「若返りメシ」。

魚、野菜、未精製。やはり最強は地中海食。

UCLA内科学准教授の津川友介先生によると、地中海沿岸地域の食生活、地中海食が健康に良いというエビデンスが複数あるようです。とくに、2013年に行われた地中海食の大規模研究で被験者に配られたオリーブオイルとナッツには、抗炎症作用や抗酸化作用などがあることが知られています。

オリーブオイルは1日大さじ4杯以上、ナッツは週に90g以上の摂取が健康長寿の目安。

2016年、欧州の権威ある栄養学雑誌で掲載された報告によると、魚の摂取量が多い人ほど死亡リスクが低かったという。

魚の摂取量は1日60g以上が目安。魚の種類によっては水銀が含まれるなど、同じ魚ばかり毎日食べていると健康に悪影響が出ることもあるので、いろいろな魚を組み合わせることをおすすめします。

野菜は1日小皿2皿以上、果物は1日小ぶりなリンゴ、バナナ2分の1本などを3個以上食すと死亡率が減る。ただし、加工品ではなくフレッシュなもの。不溶性の食物繊維が取り除かれた市販のジュースは、血糖値の急上昇を招き健康への悪影響につながると考えられます。

そして炭水化物は白いものより黒いもの。玄米など未精製の炭水化物には不溶性の食物繊維が多く含まれるので、腸内環境の改善、炎症の抑制、大腸がんのリスク低下などの効果が期待できます。これが若返りメシの基本のキ。

食材の抗酸化力を味方につけよう

老化の原因として最もよく知られているのが、酸化という化学反応。でも、もともと体に備わっている抗酸化システムは、加齢によって衰えていく一方。だからこそ、日常的に口にする食材、選択肢があるときに選びたい食材をご紹介していきます。

①アスタキサンチン

最強の抗酸化作用を誇る、鮭やエビの赤い色素成分。

赤い色の色素成分・アスタキサンチンはその高い抗酸化作用で知られている。抗酸化力はなんと、ビタミンEの1000倍、ビタミンCの6000倍!

管理栄養士によれば「アスタキサンチンはエビやカニ、鮭などに含まれています。ただエビとカニは殻や甲羅にも含まれているので、食べられない部分が少しもったいないが、最もアスタキサンチンが摂れるのは鮭だと思います」とのことである。

アスタキサンチンは熱にも強いので、茹でたり煮たり、好きな調理法で食べることができるのも利点です。

②カルノシン

抗酸化成分 イミダペプチドの構成要素

カルノシンとは2つのアミノ酸が結合したイミダゾールジペプチドの一種。どこかで聞き覚えのある方もいるかと思いますがかつて抗疲労成分として話題となった「イミダペプチド」グループに属する栄養素である。

鶏の胸肉に豊富に含まれことは知られているが、豚肉やマグロの赤身もカルノシンの宝庫。カルノシンは主に筋肉内で抗酸化作用を発揮すると言われています。

カルノシンの抗酸化力が働くことで結果的に抗疲労につながると考えられています。

肉や魚を選ぶときは、よく動かす部分、脂肪の少ない部位を選ぶことがポイントになります。

③ミネラル

抗酸化酵素の材料、亜鉛と銅を地道に補給。

体内には元々、活性酸素の害をチャラにするシステムが存在している。SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)という酵素がそのひとつで、呼吸するたびに作り出される活性酸素を除去してくれる働きがある。この酵素の材料となるのが銅や亜鉛と言ったミネラル。

加齢とともにSOD酵素の産生量はどんどん低下していくので、アサリやカキなどから亜鉛、レバーやココアなどから銅をせっせと摂りたい。ミネラルはサプリメントでは過剰摂取の問題がありますが、食品から摂る分にはその心配はないので積極的に補給をしましょう。

④ビタミンACE

抗酸化ビタミントリオは毎日食卓に揃えるべし。

ほうれん草やにんじん、ピーマンなどの緑黄色野菜はプロビタミンAのβカロテン、キウイはビタミンC、アボカドや卵黄はビタミンEの補給源。

これらビタミンACEは、抗酸化ビタミントリオ。

補給源の顔ぶれを見れば、日常的に冷蔵庫に収納されているものばかり。つまり、毎日摂りやすいのが利点。

脂溶性のβカロテンは吸収される時に脂質が必要なので油と一緒に摂る、ビタミンCは水溶性で栄養素が流出しやすいので切り立てのものを生で、加熱するときもさっと火を通す、などがポイントです。

⑤ポリフェノール

植物がもつ防御システムをお裾分けしてもらう

ラズベリーやブルーベリーなどベリー系に豊富なアントシアニン、緑茶に含まれるカテキンやテアフラビン、大豆のえぐみ成分のイソフラボン、タマネギの黄色色素のケルセチン。どれも個性的な名前だが、全て植物に備わっているポリフェノール類。

ポリフェノールに特有の化学構造が酸化を抑制すると考えられています。植物は自ら移動できないので紫外線など酸化の害から身を守るために抗酸化物質を備えています。いろいろな植物を幅広く摂ることでその恩恵にあずかることができるので、ありがたくいただきたいものですね。

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