良質な植物性たんぱく質源 大豆製品で健やかな脳を!
ミネラルや食物繊維が豊富で日本の食卓を支える栄養食品
食品に含まれるたんぱく質は、人の体内で働く生体たんぱく質の材料としてとても大切な栄養素ですが、動物性食品のたんぱく質は植物性食品と異なり、代謝の過程で人体にとって有害なアンモニアを多く発生させると言われています。
アンモニア自体は肝臓や腎臓で無毒化されて体外に排出されますが、動物性たんぱく質を多く摂ることで肝臓や腎臓を酷使してしまうと、老けないどころか体に大きな負担を与えてしまいます。
そのため、たんぱく質を摂るなら、植物性食品をメインに選ぶのが望ましいです。
大豆はマグネシウムや亜鉛などのミネラルも多く含みます。カルシウムとマグネシウムのバランスも理想的である上、女性ホルモンに似た大豆イソフラボンのほか、大豆オリゴ糖、大豆サポニン、大豆レシチンに食物繊維と、まさに栄養素の宝庫といえます。
大豆そのものに加えて、豆腐や納豆、ゆば、きな粉などの大豆製品は、健康長寿を支える食習慣の柱となる存在です。
植物性エストロゲンと抗がん作用に関する主な研究結果
大豆な植物エストロゲン ゲニステインのパワー
女性ホルモンの一種であるエストロゲン。主に体内で生成されますが、食事に含まれる植物由来の自然なエストロゲンもあります。そのうちの一つが大豆に含まれる「ゲニステイン」です。一方、体に悪影響を与えるエストロゲンが「合成エストロゲン」。発育目的で家畜の飼料に混ぜられたり、農薬など別目的でつくられたりしたものが、人の体内で不自然なエストロゲンとして作用してしまいます。ゲニステインは、乳房の細胞にある受容体に適切に結合し、こういった合成エストロゲンをブロックし、乳がんになるリスクを下げたり、がんの進行を止めたりする働きが報告されています。
◆日本(厚生労働省)
食品からのイソフラボン摂取量が多いほど、乳がんや前立腺がんのリスクが低下する。
◆ドイツ
リグナン(亜麻やごまなどに含まれる植物エストロゲン)の豊富な食事を継続することで、乳がんの発症リスクや進行リスクが低下する。
◆米国
乳がん経験であっても、大豆製品からのイソフラボン摂取が、乳がんの再発リスクを高めない。
◆米国国立がん研究所
幼少期に大豆を多く摂取した女性は、乳がんの発症リスクが 大幅に低下している。
日々の食卓に大豆製品をとり入れましょう。
豆腐
大豆のしぼり汁に凝固剤としてにがりを加えて固めた大豆加工食品。木綿豆腐のほうが水分が少ない分だけ絹ごし豆腐よりも栄養成分が多くなります。
納豆
納豆菌による大豆発酵食品で、一般的には糸引き納豆を指します。納豆菌がつくる酵素のナットウキナーゼには血液をさらさらにする効果が。
きな粉
大豆を粉末にしたきな粉は、大豆丸ごとの栄養をとることのできる食品。お菓子だけでなく、和え物など毎日の料理にフル活用しましょう。
味噌汁は毎日の基本であり、日本人のソウルフード
味噌は大豆などに塩と麹を加えてつくられる発酵食品。和食の調味料基本「さしすせそ」(砂糖、塩、酢、醤油、味噌)のうち、「すせそ」は発酵食品です。大豆そのものに含まれ、腸内細菌の餌にもなる大豆オリゴ糖や、女性にうれしく肌の保湿効果をもたらすグルコシルセラミド、味噌ができるときにつくられ、がんを抑制する働きのある腸内細菌を増やすイソマルトオリゴ糖など、健やかさを保つ有用な成分が豊富に含まれています。味噌は大豆と発酵食品のメリットを同時に得ることができる、まさに日本人のソウルフードです。