体内時計で痩せる①体内時計を整えるためにやるべきこととは。
体内時計の主時計が朝の光であることは、皆さんご存じの話なのだが、それでは、頑張って早起きしてカーテンを開け、コーヒー1杯を飲んで仕事に直行。これは正解か不正解か?
不正解なのです。
その理由は、抹消時計をリセットする条件が朝食という刺激だからです。主時計は確かに先陣を切って時計をリセットし、自律神経やホルモンを介して抹消時計に指令を送る。でもそれだけでは不十分。食事で栄養素を身体に直接届けることで、末梢時計のおのおのがリセットされる。
光+朝食の刺激で初めて主時計と抹消時計の同調が起こるのだ。
「夜型の人が太りやすいといわれるのも、光と食事の刺激を同じタイミングで取り入れることが難しいからです。朝、光を浴びても朝食を摂れないと社会の時計と自分の時計が剥離していきます。理想は起きてから1時間以内、遅くとも2時間以内に朝食を摂ることが主時計と抹消時計を同調させる条件です。
体内時計はメインとサブの両方が働いてシステム全体が働き、日中のコンディションを支えてくれるのだ。
朝食の主食はマスト
朝食と言っても朝にものを口にすればなんでもいいというわけではない。たとえば葉物野菜のサラダとコーヒーといったいかにもおしゃれ&ヘルシーそうな朝食では体内時計のリセットには役立たない。何もなくともご飯などの炭水化物を確保することが朝食の第一条件。理由は以下の通りです。
炭水化物はブドウ糖が連なったデンプンと食物繊維の複合体。このうちゅ、デンプンは小腸まで運ばれ、消化酵素によってブドウ糖に分解されて体内に吸収される。すると、血中のブドウ糖の濃度が高まり、これをモニターしている膵臓からインスリンが分泌される。何を隠そう、このインスリンが末梢神経のリセットを促してくれるのだ。朝、時間のない人は朝食用におにぎりなど用意しておくといいかもしれません。
朝食のおかずは、肉、魚、卵のいずれかで。
では、炭水化物を摂ってもインスリンの出が悪いという糖尿病予備軍の人たちは一体どうすれば?
「そういう人たちの体内時計はあまり狂ってはいません。調べてみると朝食でタンパク質を摂っていることが分かりました。タンパク質を摂ると肝臓でIGF-1というインスリンに似た働きをするホルモンが作られるのです」
朝食にタンパク質を摂るメリットはほかにもあります。
朝のタンパク質摂取が筋肉の保持率を高めることが分かっています。高齢者を対象にした調査研究では、朝食でタンパク質を多く食べるグループと夕食でタンパク質を多く摂るグループでは、前者の方が握力が強く、筋肉が保持される傾向があるという結果が出ました。
筋肉の維持は基礎代謝の低下を防ぎ、太りにくい体づくりの土台となる。ちなみに、タンパク質食材としておすすめなのは肉、魚、卵、大豆製品。穀類に含まれるたんぱく質はあまり有効ではないのいで、主食と焼き魚、卵焼き、納豆などのおかずを組み合わせていただこう。