野菜の抗酸化力でカラダを老けさせない!

身体を内側から守る、抗酸化の盾。この盾な、野菜によって強化される。抗酸化力アップの賢い秘訣について、ご紹介していきます。

賢く、緑黄色野菜の力、カロテノイド類を摂ろう!

老けない身体のために、トレーニングをする。しかし、トレーニングが過度になると、時として活性酸素の処理能力を超えて「酸化」を促進してしまう。ご存知のように、「抗酸化」が注目される理由である。

「細胞が傷つき、酸化は老化を進めます。その原因である活性酸素は、必ずしも悪者ではないのですが、必要以上に作られ、しかも処理しきれないことでカラダの酸化を促進させてしまいます」と語るのは、スポーツ栄養学に詳しい女子栄養大学の上西一弘教授。酸化リスクは、老化だけでなく、免疫の低下や生活習慣病などの要因にもなるという。

「月間1000kmを走るようなアスリートは、強い酸化ストレスにさらされています。でも同時に、上手に除去するシステムも働いています。この抗酸化力の高いシステムを担うのが、ストレスマネージメントや過度な睡眠、バランスの取れた栄養の摂取にあります。強いストレスや喫煙などに加えてリカバリー能力が低くなれば、運動をせずとも活性酸素の影響を大きく受けてしまうのです」

抗酸化力に優れた栄養素と言えば、ACE(エース)。ACEの中でも上西教授が気にかけているのが、カロテノイド類だという。

代表的なのはβカロテンで、体内でビタミンAとなって抗酸化の働きをします。また、リコピンやルテインといったカロテノイド類なども抗酸化作用があります。

カロテノイド類は、にんじんやケール、トマトやカボチャといった緑黄色野菜に多く含まれている。

サプリメントで、単体のカロテノイド類を補給する方もいますが、あくまで補助的なものです。食事として、全体のバランスからカロテノイド類を摂る必要があります。

栄養素は複合して作用するものがあり、単体ではなく、栄養学の世界でもマトリクスとして捉えるようになってきていると言われています。

緑黄色野菜に「腸活」も組み合わせたい

さらに、最近話題の短鎖脂肪酸を生み出す腸内細菌のエサとなるの「ヨーグルト」などでの腸活との相性も良さそう。

気をつけたいのは消化管からのカロテノイド類の吸収率が低い点です。そのため、消化吸収を高める工夫として、茹でたり、ミキサーで細胞膜を粉砕したり、油と一緒に摂ることが推奨されています。

問題となるのは、トレーニングとダイエットを並行して行うと、脂質の摂取を制限してしまう点だという。油を控えることで、カロテノイド類の吸収をロスする可能性もあるため、良質な油(亜麻仁油やエゴマ油などのオメガ3)の摂取は欠かさずに取り入れていきたい。

上西教授は、さらにカロテノイド類の摂取の難しさについても次のように語る。

「カロテノイド類は、摂る人の身体の状況によって、吸収率が3%の時もあれば、90%ほどの時もあるなど大きく違ってきます」

緑黄色野菜からカロテノイド類を摂るには、摂取量と吸収率とともに、身体の状態を整えることが大切だという。

そのためにもトレーニングだけでなく、普段からのリカバリーが大切だという。

大切なのは、健康のためのトレーニングであれば、やりすぎないこと。酸化リスクという点では、ランニングや水泳などの有酸素運動はタイムや順位にこだわりすぎず、ストレス発散のレベルを心掛けることが大切です。

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